うつけものよみもの

バカめなコラムかいてます

Hi-STANDARDに学ぶ「絶対に目に入る」という気持ち

こんにちは、本谷です。

突然ですけど、宣伝とか広告の話していいですか?

広告というと、僕の携帯では最近やたらと脱毛の広告が出てくるんです。1回だけ何かの話題のはずみで「脱毛」検索したことがあるんですけど、それ以来ずっと脱毛ばっかり。

関係ないですけど、僕、体毛が相当あるんですよ。誤解を恐れずに言えば剛毛なんです。体毛のせいで、遠くから見るとぱっと見、松崎しげるに見えちゃうぐらい。そんな僕を脱毛しようものなら、痛みで絶命しますよ。いいんですか?脱毛会社の皆さん。脱毛で死亡事故出したいですか?分かったら、僕への広告出稿をすぐにやめてください。

話がそれました。ハイスタファンの皆さんすみません。

前置きを間違えた気がしますが、Hi-STANDARDの広報戦略が非常にすばらしいので見習いたいという話をします。

突然のシングル発売

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Hi-STANDARD- ANOTHER STARTING LINE- Full ver.(OFFICIAL VIDEO)

有名な話なので多くは語らないですが、2016/10にハイスタ16年ぶりのシングル『ANOTHER STARTING LINE』が突然発売されました。前情報なしに、突然CDショップに現れたんです。

この話は瞬く間にネットを席巻し、ニューシングルは星野源やセカオワなどの名だたる面々を差し置いて、オリコンチャートの1位を獲得してしまいました。

どこのサイトを見てもハイスタのシングル発売のニュースが息巻いていました。

ところで、皆さんも経験あると思うんですけど、楽天やZOZOで欲しい商品を見ていたら、次に訪れたまったく関係ないサイトでもその商品の広告が表示されるというやつ。断腸の思いで買うのを諦めてサイトを離れたのに、次のサイトでも出て来るというやつです。なんの刑だと。

この手の広告をターゲティング広告と言うんですね。僕を殺そうとあらわれる脱毛の広告もこの種類の広告です。

それで、ハイスタのシングル発売のときって、このターゲティング広告みたいにロックファンを襲ったと思うんですよ。Twitter、Instagram、いつも行く音楽サイト、行く先々すべてにハイスタのシングルの話題がつきまとってきたというか。

ハイスタおじさん世の中に何億人いるんだよって。スキップしてもスキップしても現れるハイスタおじさんの影。脱毛会社の皆さん、僕なんかよりもよほど殺しがいのあるおじさんがたくさんいますよ。

口コミ最強

そもそもハイスタ自体、自分でCDをつくって自分で手渡しで販売するという、DIYバンドマンというルーツがあるんですね。念のためですが、DIYは「Do It Yourself」の略で、なんでもかんでも自分の手でやること。自慰とも言います。言わない。カインズホームはたしかに良い歳したおじさん達が目を輝かせてうろついていますが、大人のおもちゃ屋さんではないです。勉強になりましたね?

話を戻すと、ハイスタはCDを作るのも売るのも、全て自分たちの手で行っていたということです。今のライブハウスでは当たり前となった、バンドマン自らCDを売るという光景も、ハイスタの世代がハシリとして始めたことで。

もちろんバンドの知名度は口コミ頼みの一辺倒。

しかし、ハイスタの音楽性や姿勢(パンク、アンチメジャーというスタンス)は、この口コミと非常に相性が良かった。当時、インディーズ音楽に傾倒するような陰キャラ音楽好きにとって、ハイスタンダードを口コミで薦めるのは、そのまま自分のブランディングにもなったから。

そして、復活後のサプライズシングルリリースでは、キッズだった当時のファンがより影響力のある"大人"となって、一心不乱に口コミを拡散するという事態が起きたわけです。

嫌でも目に入るぞという気合い

ともあれ、ハイスタの例から学べることは、なにも「ノンプロモーションでCDを出せ」だとか「DIYで自分たちで手売りしろ」といったことではありません。

ハイスタの例から学べるもっとも大事な教訓は、

「嫌でも目に入るぞという気合い」

これかなと。

昔から口コミで知名度を拡大してきたハイスタは、どうすれば今の時代に一番多くの人の目に入るか?というやり方を知り抜いていたと思うんですよ。

言い換えるなら、ターゲティング広告のように、自分たちのキャラクターが刺さる相手の目に絶対に入るような戦略を知っていたというか。そういう戦略を考えるのが、今の時代を生き抜くヒントなのかなと。

その点、MVとは思えないようなクソおもしろ動画を作るのも、Twitterで ギリギリのおもしろ狂人を演じるのも、自分たちのキャラクターが拡散される層をよく理解しているプロモーションですよね。

おわりに

Hi - STANDARD / Can’t Help Falling In Love

ヤバイTシャツ屋さんやMy Hair is Badは特殊なスキル(動画編集力、プロツイッタラー)も持ち合わせているので、あまり参考にならないかもしれません。

良い対バンなんかは、まさしくターゲティング広告みたいな力があると思うんですけど、もっと一段上の「嫌でも目に入るやり方」が必要なんだと思うんですよ。一日100万回、人のツイートをファボるとか。Twitter社の目に嫌でも入っていくスタイル。

真面目な話、対バンならぬ対MVみたいに、動画で複数バンドがコラボするとかそういうお隣さんの客にアプローチする戦略もっと流行ってもいいと思うんですよね。

そんなわけで、これから売りたいバンドやレーベルの皆さん。ハイスタの戦略から嫌でも目に入るぞという気合いを持ち帰って自分たちのプロモーションを考えて貰えればと思います。何様だ?

ではまた次の記事で!

そんなハイスタの新譜はこちら。

狂気を感じるジャケで非常に良い。買おう。僕は買う。

なぜ男はSHISHAMOの宮崎朝子ちゃんに恋するのか

こんにちは、本谷です。

最近というかここ4〜5年、僕もうSHISHAMOが大好きなんです。正確には宮崎朝子ちゃんがもう大好きなんです。誤解を恐れずに言えば、是非どこかのタイミングで手合わせ願いたいと思ってるわけです。

「僕に彼女ができたんだ」のMVがまだ再生数4桁ぐらいのときにSHISHAMOと朝子ちゃんに出会ってから僕の心はもう掴まれっぱなしなんですよ。"僕に彼女ができたんだ"じゃねえ、僕の彼女になってくれ。そんなことを考えては砂浜に相合傘かいたりしたんですよ。朝子用のウィルコムを買ったりしたんですよ。なんだ死語か?ウィルコム死語か?

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SHISHAMO「僕に彼女ができたんだ」 - YouTube

この曲で僕の心を奪った朝子ちゃん。それで、いまのSHISHAMOって、僕のライバルになりうる男が10万人ぐらいいると思うんですよ。身の程知らずにも、朝子ちゃんの彼氏候補に名乗りを上げるモブたちが。お前ら朝子ちゃんの何を知ってるんだと。

洗面所に朝子ちゃん用の歯ブラシを置いている僕が、今日は朝子ちゃんの魅力について話していこうと思う。それで、朝子ちゃん彼氏レースに出馬した10万のモブから一歩先んじてやろうと思うわけ。

顔の話

SHISHAMOといえば、史上これまでにないぐらい顔面の話題がされ尽くしたバンドだと思うんですよ。

ググれば、常に「SHISHAMO ブス」のサジェスチョンが上位を占め続ける不遇さ。「SHISHAMO ぶ」まで入れると、

  • SHISHAMO ブス
  • SHISHAMO 武道館
  • SHISHAMO 物販
  • SHISHAMO ブサイク

とサジェスチョンされる。まさかのブスバーガー。あんまりだろGoogleコラ!!

これがプロモーション上、実はプラスに働いてる面もあるので一概に悪いわけではないのだけど、僕が朝子ちゃんの彼氏になった暁にはGoogleを相手取るのも異存はない。

ともかく、「なんだこれアイドルか?」って類いの非常に整った顔面のガールズバンドが横行する昨今の邦楽ロック界において、非常にアバンギャルドな顔面でSHISHAMOがあらわれたことは間違いない。

それで、バンドの人気の出方には大きく2種類あって、

  • 憧れの的タイプ
    • 圧倒的にかっこよかったり、かわいかったり。ファンとの距離感が遠いほど人気を集められるタイプ
  • 共感タイプ
    • 身近な事柄を伝えるのがうまかったり、そもそも身近なキャラクターだったり。ファンとの距離感が近いほど人気になるタイプ。

といった感じの分類があって、間違いなく後者のタイプのSHISHAMOにとって、顔の話が先行するのはSHISHAMOにとって悪いことではなかったと思うんですよね。まあ僕は朝子ちゃんにあまりに厳しい検索エンジンの仕組みを変えるために一生を捧げる覚悟もあるんですけど!!

圧倒的なストーリーテラー

それで、アーティストとして共感タイプな朝子ちゃんが曲で紡ぐ世界観は、もう100点なんですよ。今日の本題はここです。

朝子ちゃんの曲って、めちゃくちゃストーリーとしての精度が高いじゃないですか。筋の通った物語になってる。それでいて、朝子ちゃんが描く男の子像って、すごくリアルなようですごくファンタジーですよね。いそうだけどいなくねえ?ってやつ。

たとえば、『量産型彼氏』の歌詞。

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SHISHAMO「量産型彼氏」 - YouTube

SHISHAMO 量産型彼氏 歌詞 - Google 検索

こんな男正直あんまりいないと思うんですよ。同じシチュエーションだったら男はまじで「一回でいいからやらせてくれ!」とか「彼氏まじ電車事故で死なねえかな」ぐらいしか考えてらんないですよ。そんな行儀よく「わっはっは弱った弱った」なんて言ってらんないですよ。

でも、こういう想像をする女の子、まじで男は全員好きだと思うんですよ。こういうめちゃくちゃ精度が高くて細かい恋愛妄想する女の子、男はまじで好きなんです。

理想の男や恋愛を想像する朝子ちゃんが可愛い

「『耳をすませば』の雫みたいな女の子が好き」っていうクソっているじゃないですか。フナムシの腐ったようなクソ男のことです。皆さんの周りにも一定数いると思うんですよ。僕ですか?ほっといてくれよまじ。雫みたいな女が好きな男はクソだって分かってても雫は可愛いからいいんだよ。

朝子ちゃんを可愛いっていう男は、『耳をすませば』の雫が可愛いと思うのと同じなんですよ。

恋愛経験とか少なそうで、それでも理想の男子や恋愛を想像しちゃうような、そういう女の子が大好き。いわゆる童貞ってやつです。そうです。ただ、男は誰しも童貞は通る道なんですよ。だから、卒業してもずっとこういう女の子を求める本能は残ってるわけなんですよ。童貞を殺す朝子なんですよまじ。

男は、宮崎朝子ちゃんの「理想の男や恋愛を想像する女の子」って偶像が好きなんですよ。たぶん。僕はそう。偶像が好きだったはずなのに気づいたらMajiでKoiしてた。5年前。

それで、SHISHAMOに女性ファンが多いのも同じような想像というか妄想を趣味にする人が一定数いるからだと思うんですよね。あまりに精度の高い朝子ちゃんの妄想が、同じような妄想を重ねる女の子層にぶっ刺さったというか。

男ファンには「理想の男や恋愛を想像する女の子」っていう偶像がぶっ刺さり、女ファンには同じ想像をする世界のカリスマとしてぶっ刺さったと、僕は思ってます。

おわりに

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SHISHAMO「夏の恋人」 - YouTube

いかがだったでしょうか。SHISHAMOの魅力、今日ここで書いた以外にもたくさんあるんですけど、尺も足りないので今日はここまで。いい曲たくさんあるんですほんと。

もう出てからしばらく経ってますが、『SHISHAMO4』が本当にすごく良くてですね。記事にしようしようと思って放ったらかしてたら半年過ぎ、そんで記事をかいたら全然『SHISHAMO4』関係ない内容を書いてたわけです。痴呆か?

27歳痴呆、今日も元気です。ではまた次の記事で。

星野源のライブをおすすめする5つの理由

こんにちは、本谷です。

先日、星野源のワンマンライブに行ってきたんですよ。もうすごかったです。男女比が。100人いたら80人が女で18人が男、残る2人は星野源みたいな顔の女、といった具合の男女比でした。実に8:2の割合。肩身も狭いってもんです。柿ピーで言えば完全にピーの身分。

男子トイレがもうそもそも少ないんですよね。男子トイレどこだよって思って探してたらステージの片側全トイレが女子トイレだったりしました。どのトイレも女子が並んでやがる。ここはあれかい?男子トイレであっても女性が付き従ってくれて、用を足すのを手伝ってくれるとかそういう小粋なサービスのあるイベントかい?そんで盛り上がっちゃったら用を足した後に用を掛けてくれるのかい!?僕は何を言ってるんですか?

ともあれ、ライブはもう非常に楽しめまして。感動さえしました。そういうわけで、今日は星野源のライブがどうして素晴らしいのか考えてみようかと思います。

ライブのネタバレも含むので、そういうのが嫌いな人はここで引き返してください。でも僕のことは好きでいてください。僕は何を言ってるんですか?

では、いきます。

曲のアレンジ

星野源のライブ、ツアーごとにセットリストが違うのは当然なんですが、同じ曲一つとっても細かなアレンジが変わっていたりして、何回行っても飽きないんです。

たとえば、Two Beatっていう横浜での2日間ライブがあったんですが、そのライブではバンドDayと弾き語りDayという風に分けられたんですね。そこで演奏された『Crazy Crazy』は、両日ともバンドセットだったんですが、2日間でアレンジが違ってですね。メンバーが違うので当然っちゃ当然なのですが、それがどっちもすごく良くて。

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星野 源 - Crazy Crazy/桜の森 【MUSIC VIDEO & 特典DVD予告編】

そもそも手持ちの曲の幅がめちゃくちゃ広いので、セトリの構成を変えるだけでも大分違った印象のツアーになるはずなんですけど、そこに妥協しないところがすごく好き。

弾き語り

ここ最近のライブでは、中盤になるとメインステージから離れた位置に作られたサブステージで星野源が一人弾き語りをするケースが多いんです。

しかも無駄にステージがぐるぐる回る。それで星野源が交互に四方を向いて弾き語りするんです。もう星野源の尻だけを観る時間がある。しっとりするバラードも眼前には尻。

少しそれましたが、この弾き語りがすごく良くて。Number Girlの『透明少女』とかやったりするんですよ。ナンバガの原曲を知ってると、アコギ1本で流されるイメージもつきにくいかと思うんですけど、これが思いの外よくて。

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NUMBER GIRL - 透明少女

ナンバガ原理主義者の過激派からは「なにヌルいことしてんだ」とか言われかねないんですが、星野源の弾き語り透明少女はまさしく「カバー」で、リスペクトと再解釈に満ち満ちた仕上がりなんですよ。わかったから、いいから向井のコーランをしまって?な?

そんな遊び心や音楽へのリスペクトに溢れた弾き語りが僕はすごく好き。

ともあれ、ギター1本で何万人も黙らせるのはやっぱり圧巻の業なので是非生で目の当たりにして欲しいなあと思います。

曲の合間の気遣い

ライブってどうしてもステージの転換だとか楽器の調整で、待ちになってしまう時間ができるじゃないですか。

星野源のライブでは、そこでやたら豪華な声優をつかった音声だけの小芝居や、いろんな芸人からのビデオメッセージが流されたりするんですよ。毎回バナナマンが映像出演する。なんならもう目にうるさいんです。いや好きなんですけど。

待ち時間も含め、楽しめる時間として色々な仕掛けを用意されていて、気遣いが感じられるライブなんです。

アンコール

まあどのライブでもアンコールってあると思うんですけど、星野源のアンコールはすばらしくアホでですね。

まあ行って頂ければ色んなアホさが瞬時に理解できるかと思いますので、ここは多くは語らないです。

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完成されたエンターテイメント

もう星野源のライブを観るべき理由は、この点に集約されるんですよ。

  • 優れた楽曲
  • 豪華なバックバンド
  • いかれた演出
  • 曲間のMC
  • 聴き入る弾き語り

ただのシンガーソングライターのライブというよりは、2時間のエンターテイメントとしてすごく完成されてるんです。

曲を聴いても楽しいし、MCの時間も楽しいし、ビデオにバナナマンが出てきても楽しい。星野源が横浜アリーナで公演中にうんこしに行ってる時間さえ楽しい(事実)。

2時間という枠を余すところなく楽しめるのが、星野源のライブの最大の魅力。

おわりに

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星野源のライブ、なにやら日本で今最もチケットを取りづらい部類のライブらしい。日本中の女性が買い求めているとか。

女子高生も女子大生もOLも君の好きなあの娘も、みんな星野源に夢中。ツイッターで「星野源」で検索をかけてみてくださいよ。どいつもこいつも

「は~源ちゃんの顔みたら元気でた」

とか言ってる。分かるよ、星野源の顔みたら元気でるよね。男の僕でもそう。だから、頼むから星野源のMVに一瞬だけ僕の顔挟んでみてもらえないですかね?サブリミナル的に。そしたら女の子たち、僕の顔をみて元気だしてもらえないですかね?それで「本谷くんの顔見ると、なんだか知らないけど元気でちゃうんだよね」とか言ってもらえないですかね?甘酸っぱい恋が始まらないですかね?そしたらそれは素敵なことですよね。僕はどうなっちゃったんですか?

悔しいよ。女の子の元気市場の需要を星野源が一手に引き受けているということが。日本中の女を笑顔にして食うメシはうまいか?うまいだろうなあ!!ちなみに男も笑顔になってるぞ!ありがとうなちくしょう!!

話も込み入ってきたので今日はここまで。

ともあれ、ライブは本当に楽しいので是非一度足を運んでみてくれればうれしい。

キミにKATOKUを語りたい - レキシ

突然ですけど、家督の話していいですか?

初対面なのにすみません。でも、友達とかには家督の話ってできないじゃないですか。「うちの家督がさ〜」とかいっても「おぬし〜?」みたいになっちゃうじゃないですか。ちょっと真面目な話なので聞いてもらっていいですか?

今日は重くないKATOKUの話をします。

キミにKATOKUを譲りたい

まずはこちらのPV観て貰っていいですか。

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レキシ - 「KATOKU」 Music Video (YouTube ver.)

いきなり昔の空耳アワーみたいな絵面ですみません。曲もなんか空耳アワーみたいじゃありません?最初の「世襲制!」とか。1フレーズ目でいきなり終わるタイプの空耳アワー。出て来る人たちの顔面も空耳アワーっぽい。誰か空耳アワーに応募してください。手ぬぐいぐらいもらえるんじゃないですかね。

それで、実際のところは曲も映像も80年代のAORってカテゴリをパロった作りなんですね。

特にMVはAORの大御所Journeyの『Separate Ways』を丸パクリして馬鹿で味付けしたような仕上がり。ほんと大好き。

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Journey - Separate Ways (Worlds Apart)
(参考)Journey『Separate Ways』

しかしよくこんな似たようなロケ地あったな。似たようなロケ地、似たようなキャスト、似たような振り付け、似たようなカメラワーク。行き過ぎた悪ふざけもここまで来ると嫌がらせの域ですよ。織田裕二がものまね芸人にマジギレした話あったじゃないですか。その域ですよもはや。ほんと大好き。

それと、MVの途中でキャストの面々にレキシネームを授けてるシーンが挟まれてるんですが。アントニーのレキシネームが「大砲の弾」。無慈悲か。豪速球ど真ん中ストレートのネーミング。しばらくTV観てても大砲の弾ばっかり浮かんで「アントニー」の名前出てこなくなったよ。

こんなに悪ふざけしてるのに、ダイハツのCMに使われてるんですよこの曲。なにが「皆も納得してくれてるから」だと。ダイハツ納得するなまじこんな曲。でもJourneyだけはまじ納得してくれ。

KATOKUが馴染む未来

しかしこの曲ほんとよく出来ててですね。最初聴いたときはMVのインパクトもあって「あー、本当またバカな曲つくったな」って思ったんですけど、何回も聴いてると感動さえしてくるんですよ。

MVの先入観が消えてくると、意外にいいメロディで。詞の方も段々味わい深い情景が浮かぶようになってきて。

突然ですけど、名古屋に小倉トーストって食べ物があるの知ってますか?

焼いた食パン(トースト)の上に小倉あんをぶっかけた食べ物です。「洋朝食代表のトーストと、和菓子代表のあんこ…?あうわけないだろどう考えても…」って代物なんですが、名古屋人は全員頭が悪いのでこれをおいしいおいしいと言って食べるんです。ちなみに僕も頭が悪いのでおいしいと言って食べるんですけどね。おかわりもします。2倍バカ。

レキシの歌ってこういう小倉トーストみたいなところがあって、普通の人が見ると「どう考えても合わないでしょ」みたいな曲と詞を組み合わせて「はいはい、またマスターがバカな料理つくったよ」みたいな。

小倉トーストも多分最初はどこかの喫茶店のバカなマスターの思いつきだったと思うんですけど、いつの間にか名古屋中で受け入れられていて。そしてコメダ珈琲とかが他県に進出して、その先でも受け入れられ始めていて。

『KATOKU』も、MVのインパクトからして「マスターの思いつきのバカな料理」だと思うんですけど、みんながMVを忘れて一息ついた頃、驚くほど自然に皆に馴染んでいると思うんですよ。

おわりに

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「KATOKU」すごくいい曲なんです。

MVのインパクトが忘れられてきたころ、意外と広く馴染んでる曲になると思うんですよ。皆も納得してくれるから。広くあまねく受け入れられて欲しい。

ゆくゆくはお葬式BGMのスタンダードにしてほしい。

レキシについては以下の記事でも書いてるので、興味もった方は是非。

参考:おもしろ日本史歌うたいおじさんレキシの魅力

ではまた次の記事で。

sumikaの片岡健太、日本最強のオスなんじゃないか

こんにちは、本谷です。

sumika、凄まじい勢いですね。どこのレコード店にいっても激烈に推されてるし、どこのフェスに行ってもその年の主役候補達が並ぶ真ん中らへんのステージをパンパンに埋めている。

この前、AbemaTVでMETROCKの中継をやっていたのでぼーっと観ていたところ、やはりステージを入場規制にしたsumikaが映っていた。

で、この中継を観て思ったんです。

sumikaの片岡健太くん、日本最強のオスなんじゃないかって。

イケメン

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sumika ライブ【SWEET LOVE SHOWER 2017】

片岡健太、邦楽ロックバンドとして100点のイケっぷりだと思いませんか。

ジャニーズほど浮つかず、バンドのフロントマンとしては上位の整い具合。「私はバンドとしてのsumikaが好きなの!」という言い訳がギリギリ成り立つラインを狙った絶妙な顔面。sumikaの音楽性ともマッチする、嫌味のないビジュアル。

ステージ上の振る舞いもイケている。詳しくは上の動画でも観てもらえば分かるけれど、曲の見せ場での動きが完全にイケし者のそれ。自分がある程度イケメンって自覚がないとできないタイプの振る舞いなんですよ。僕とかがやったら完全に電車の危ない人ですよ。車内に緊張感が走るタイプの。

イケヴォイス

とりわけ片岡健太のイケヴォイスがキラリと光るこちらの曲。

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sumika / MAGIC【Music Video】

いかがでしたか。線の太めな声質からファルセットの切り替えもナチュラルで、非常に気持の良いイケヴォイス。

女性の皆さんは特に言わずもがなの様相かと思います。聴くだけで排卵がズレるような甘美な歌声。

男性の皆さんも、非常にオスとしての生存本能が危機感を感じたんじゃないかと思います。僕のオスとしての生存を担当している部位は「はやくこいつを始末しろ!」という類いの警報を鳴らしました。

国がまだ規制できないだけで、こんなのはもうわいせつ物ですよ。こんなイケヴォイスを野放しにしておくな。

イケMC

それで、ようやくMETROCKの話です。

今年(2017)のMETROCKの最後の曲、「伝言歌」という曲をやったんです。最後の一曲でこの曲を皆で大合唱するのがお馴染みなんです。

sumika 「伝言歌」 歌詞

「伝えたい」の部分を観客一同で大合唱するんですね。アツい部分です。

それで曲が終わって、メンバーも楽器を置いて裏に戻ろうかといったタイミングで、片岡健太がステージ前に歩み出てマイクを介さず地声で一言。

「伝え忘れたことがありました!」

突然のことにどよめく会場。地声で力一杯叫ぶ片岡健太の姿に、声を飲む観客たち。

「愛してます!!」

歓声とも怒号ともつかない「ウオオアアア!!」という割れんばかりの大声が湧き上がりました。沸き上がる若い女の子たち。うなだれる僕。画面越しに伝わってくる会場の黄色いキャピキャピ感に、僕の心はぼろぼろ。

もう絶対に許すな。曲が終わってあのイケヴォイスでどんなわいせつ物を耳にねじ込まれるかと思ったら、こともあろうか「愛してます!」と。もう直球のポルノですよ。こんなもん、局部が出てないだけで実質挿入行為だろもう。許せねえ。法律が許しても俺が許さねえ。

日本最強のオス

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sumikaの片岡健太、今日本で最も強い部類のオスだと思う。イケメン、イケ声、イケ言動。いま星野源と殴り合えるのは菅田将暉と片岡健太だけ。

惜しむらくは、オスとしての強さゆえにバンドとしての正当な評価をされづらいところ。実際は、本人の経歴を見てもなかなか苦労の多いキャリアをおってきてるみたいだし、30歳を超えてここにきて評価されるのはそれまでの地道なライブ活動あってのことだと思う。

普通、sumikaのようなポップさを持ってるバンドって、ライブパフォーマンスはがっかりすることも多い。でも、sumikaはライブでも当たり前のようにかっこいいし、オーディエンスを楽しませる勘所もしっかりしてる。ライブを大事にしてきたバンドだと、よく分かるライブをしてくれる。

だから僕は片岡健太のオスとしての最強っぷりを目の当たりにしても、やっぱりsumikaを聴いちゃうし観ちゃう。sumika、すごくいいバンドだと思います。

おわりに

ここまで散々僻んできたけれど、2017年、もうsumikaの年で決定しちゃっていいんじゃないでしょうか。ここまで業界総出で推しムードなのも久しぶりな気がします。

どのレコードショップに行っても必ずsumikaが推し棚にいるし、街中で流れてくることも増えたように思う。タワレコとか、俺のことも推してくれないかな急に。「このサラリーマンがヤバい!」とかポップ貼ってタワレコメンにしてくれないかな。俺がこんなにタワレコをヘビーユースしてるのにタワレコの側から誘ってくれたことは1回もないよ。タワレコ、釣った魚にも餌をあげなきゃ、心は離れちゃうよ…?なんの話してんだ。

ともあれ、今年の後半もsumikaから目を離せない。

あ、片岡健太はめちゃくちゃ大きな痔に悩まされて欲しい。

岡崎体育「感情のピクセル」、ぶっちゃけ期待してなかったでしょ?

どうも本谷です。

僕たちの体育くんがまたやってくれました。くだらない前置きはいいのでこちらを見てください。

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岡崎体育 『感情のピクセル』Music Video

期待値を越えてくる体育

前回の『MUSIC VIDEO』から1年。その間いろんなメディアに出たり、いろんなフェス出たりライブ活動をしていたり、アイドルに楽曲提供したり、岡崎体育は『MUSIC VIDEO』で掴んだチャンスをモノにすべく精力的に活動してきました。

そうやって僕たちと岡崎体育の接点が増えて来る中で、もうなんというか、僕たちは岡崎体育に対して「まあこんなもんだろう」となんとなく期待値を決めてかかるようになっていたと思うんです。「岡崎体育ならまあこれぐらいおもしろいんでしょ、どうせ」みたいな。体育まあこんなもんだろ、っていう感じの。

みなさんも小さくて可愛かったころに経験あると思うんですけど、3学期ぐらいのなんでもない体育の時間で、ドッジボールとかそういう軽いのでお茶を濁すふわっとした授業が2週間ぐらい続いて「今日の体育もどうせそんなもんだろ」と踏んでいたらば先生がいきなり「今日はグラウンド10周してて」みたいなやつ。

いきなり予想を超えてくるやつです。グラウンド10周もしたらそら体も育つわと。体育教師ぶっ殺す、お前の給食のカレーだけひじきと豆の煮物になれ。こんな体育じゃなくて俺は保健室のマイコ先生に体育して欲しいんだよまじ。そんな感じの経験ありませんでした? あったでしょ? マイコ先生はまじエロいんですよ。おっぱいぽんぽんぽんのやっほーなんだよまじ。

ちょっと逸れました。

今回の体育くんはね、まさにそれなんですよ。体育が多すぎてどれが本当の体育くんか分からないですか?ついてきてください。今これから話す体育が体育くんです。

『MUSIC VIDEO』から1年間、各所で体育くんのライブやテレビを観て「新曲もまあこんぐらいっしょ」って思ってませんでした?今回もどうせドッジボールでしょ、って思ってませんでした?『感情のピクセル』のMVみました?笑いましたね?笑いましたね? ツイートしませんでした? 友達にLINEしませんでした? Facebookで「○○さんが『感情のピクセル』をシェアしました」って見ませんでした? なんならあなたもシェアしませんでした? しましたね?

そういうことですよね。

1年間あちこちで観て岡崎体育の期待値を確定しかかっていた僕たち。そのはずなのに、『感情のピクセル』を思わずシェアしてしまう僕たち。体育くんは僕たちの期待をぴょんと飛び越えて行ってしまいました。愛してる。

上げたはずのハードル

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岡崎体育 『MUSIC VIDEO』Music Video

邦楽ロック界に巨大な金字塔としてぶっ立ってしまった『MUSIC VIDEO』

MV芸人として出せるネタはもう出し尽くしてたと正直思ってました。くすぶっているバンドマンたちが自主制作で頑張ったMVや、知人の映像監督につくってもらった「予算の低いMV」を根こそぎ虐殺してしまった大傑作。

でも、『MUSIC VIDEO』で本当に殺されたのは他ならぬ岡崎体育だったんじゃないかと思っていました。これを越えるMVは作れないだろと。でも体育くんは自分でつくったハードルをいとも容易く超えてきた。

『感情のピクセル』を観て、どうして俺は体育くんの底力を信じてあげられなかったんだと自分を責めたよ。体育のこと最後まで信じてるのは俺だったはずだろって。岡崎体育大好きな僕がハードル超えてこないと思ってたんだから、みんなも少なからずそうだったんじゃないか。白状しなさい。うんぱっぱのぷんぷん。

おわりに

なんかあちこちでラウドロックに失礼だとかいう輩がいるらしく、実際に心無いロックファンが岡崎体育やラウドロックバンドに突撃かましてご迷惑を掛けているらしい。岡崎体育も一連の騒動を謝罪するまでになっている。

YouTubeを使って表現できることが増えて、アーティストも百人百様の工夫をしている時代なわけです。岡崎体育は、CDだけが音楽との接点だった時代には明らかに成り立たない音楽なんですよ。だから岡崎体育を好きになれとは言わないけど、岡崎体育みたいな新しい表現にチャレンジしてる人間に対して一歩引いて冷静に考えてもらえばいいと思うんです。それでも嫌いなら嫌いでいいし、そのときは聴かなきゃいい。好きな曲を聴けばいいんです。

それに本当に一番迷惑かかってんのは明らかにワニさんなわけですよ。ワニにはまじ謝れ。

ではまた。

lovefilm江夏とRIP SLYMEのSUの不倫から考える、バンドマン略奪愛の回避策4選

どうも、偽善者界のトリプルスリーです。

RIP SLYMEのSUとlovefilm江夏詩織の不倫騒動が世間を騒がせていますね。非常に痛ましい事件です。

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先日、こちらのサイトでも「KANA-BOON飯田から考える、「バンドマンはどうして不倫するのか」」という記事を書きました。バンドマン不倫のメカニズムに詳しくなりたい研究熱心な方は読んでもらえるとありがたいです。

さて。バンドマンの彼女の皆さん。

上の記事でも書いていますが、バンドマンは基本的に不倫する生き物です。それでも、どうしても、不倫されたくない。わたしは略奪愛を成就させたけど、わたしから略奪するのは許せない。ギブアンドテイクでいうギブの部分が分からない皆さん。

今日は、そんな皆さんの大切なバンドマンが、略奪愛されないTIPSを紹介します。

おさらい

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lovefilm - Kiss(MV)

まずは今回の事件について振り返っておきましょう。

  • 22歳差の年の差不倫(SU:43歳、江夏詩織:21歳)
  • SUがラジオのゲストとして江夏詩織を招待し、収録後にディナー・お泊り
  • 翌朝もドライブデート

「22歳年の差略奪愛」とかほんと無慈悲な響きでぞくぞくするなァ!22歳差ってあれですよ。受精卵が大学卒業する年月ですよ。

「若さ」という絶対的で不可逆な最強の武器で殴りつける感じ、いたたまれない。メタルキングの剣でドラキーを叩きつける無慈悲な行いですよ。

これを受けたネットの声がこちら。

  • SUなら驚かない笑
  • SUさんならいっかw
  • SUさんなら、許す。大塚愛も許したれ。

最後のやつ誰だよ。釈迦かよ。どんな権限で一番の被害者大塚愛に説教垂れてんだこの釈迦。

なんとも許しがたい事件ですよ。でもバンドマンをパートナーとする者、いつでもこのリスクには備えておかなければなりません。若さという圧倒的な武器で侵略してくる黒船に。自分の彼氏を腐れメス猫から守るためにも、対処法をみておこう。

1. 別のバンドマンをあらかじめ略奪

まずはこちら。諸行無常、畜生道を往くこちらの選択肢。目には目を、歯には歯を、不倫には不倫を。大好きな彼氏が略奪される前に、他のバンドマンを誰かから奪っちゃおう!

家を借りるときにも火災保険に入るし、車に乗るときも損害保険に入る。人は常に、後ろ盾があることで安心が得られるわけです。

そこで、第二の選択肢。バンドマンの彼氏に不倫されたときの転ばぬ先の杖。いわば不倫保険を手元に用意しておくという対処法がこちら。誰かを蹴落として、心の安定を買いたい堅実派の選択肢。

人間としての大事な部分に、二度と落ちない汚れがついても平気なあなたにおすすめ。どれだけ汚れても強い覚悟をもつ、貪欲なあなたに。拭き忘れたお尻かお前は。

2. 殺害

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こちらは一度の過ちも許さない、急進派の選択肢。許さないという選択肢です。

不倫を二度とさせない最もシンプルな選択肢は、「不倫する肉体を破壊する」こと。不倫なんていうのは、いわば肉体を制御しきれなくなる精神の誤作動なんです。であれば、肉体を壊しちゃえば不倫はできない。なるほど。かしこいな???

バンドマンを永遠に自分のものにしたい心療内科系メンタルなあなたに。

3. 自分の方が売れる

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SHISHAMO「僕、実は」

僕、実は。

4. おわかれ

f:id:motoyat:20170917024942j:plain これまで身も蓋もない意見を散々言ってきたけれど、一番建設的なTIPSがこちら。

バンドマンは、不倫をする生き物なんです。不倫をする貪欲さこそ、バンドが売れるモチベーションと言っても過言ではない。↓の記事でも書いているけれど、バンドマンが売れることと不倫は表裏一体の出来事です。バンドとして成功して欲しいと願うことと、不倫しないで欲しいと願うことは矛盾してしまうわけです。大塚愛でさえ不倫されるわけだし。

自分の人生を真剣に考えるなら、バンドマンに夢をみるのではなく地に足のついた恋愛をしたほうがいいです。

バンドマンに不倫され続けて婚期を逃し、下北のカフェで大学生相手に訳知り顔でバンドマンの噂話をうそぶく35歳おばさんになりたくなければ、早いうちにバンドマン恋愛から脚を洗おう。

関連記事:KANA-BOON飯田から考える、「バンドマンはどうして不倫するのか」

おわりに

いかがだったでしょうか。明日から即使える有意義なTIPSばかりでしたね。不毛なバンドマン恋愛からはさっさと足を洗おう。大事な彼氏を守りたいとか言ってないで、まずは貞操観念を守れ、な!!

それでは、また次の記事で。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONがとにかく最高な4つの理由

2016年、結成20周年を迎えたASIAN KUNG-FU GENERATION(アジアン・カンフー・ジェネレーション)。

20周年を記念して『ソルファ(2016)』をリリース。2004年にリリースされた名盤『ソルファ』の再REC版。控えめに言っても傑作。最高。ロックってこういうことな~~ってなる。

昔のアルバムを今のアジカンの全霊で作り直すとかいう、「強くてニューゲーム」を地で行くスタンス。音楽業界のプロアクションリプレイ案件です。

アルバム単体としての完成度はもちろん、アジカンというバンドの自己紹介として『ソルファ』『ソルファ(2016)』はすごく良くできたアルバムだと思う。古くからのファンも、このアルバムから入る新規ファンも大満足の傑作です。

僕はこのアルバムを聴いて思った。アジカンって、もはや邦楽ロックそのものじゃん、と。

今日はそんなアジカンのすごさを考えてみたい。

1. 音楽的向上心・ハングリー精神

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ASIAN KUNG-FU GENERATION 『リライト(2016ver.)』

アジカンを決定的にアジカンたらしめているものが、この音楽に対する飽くなき向上心。

例えば、10年以上前のアルバム(しかも超ヒット作)を作り直すなんて一度売れたアーティストにとってみればリスクだらけで普通はやらない。

絶対に「昔のほうが良かった」という声の大きな古参ファンが発生するし、商業的にも普通に新作のオリジナルアルバムを出すほうが売れるに決まっている。

特に厄介なのは前者で、「アジカンは変わってしまった」「アジカンは初期まで」みたいな騒がしい連中がたくさん出てくると、一層新規のファンが入ってきづらくなる。こういうアルバムには「おれ昔から知ってるぜアッピール」のために、絶対に声の大きい自称古参ファンが湧いてしまう。そいつの自尊心のためにバンドが食い荒らされるような、うじ虫おじさん達が。はい。僕とかです。いえ、僕は本当にアジカンが好きだし『ソルファ(2016)』もすごく良かったので手放しで感動してますけど、やっぱりこう、好きなバンドがこういう企画をしてくるときは身構えちゃうわけでしてその…。うるせえ今度から気をつけるよ。

そういう逆風ばっかりの厄介な状況でもあえてこういうアルバムを出しちゃうアジカン。もう向上心の塊ですよ。

実際、いまだに「今の俺たちでどれぐらいの人間をハッとさせられるか改めて勝負してみたい」みたいなことをインタビューで言ってたりする。いまのアジカン以上の勝負ってもはやなんだよと。「超サイヤ人を超える超サイヤ人」みたいな話になってきてるぞ。

売れるバンドは、みんなこういうむき出しの向上心を維持し続けてる。これってやっぱりロックバンドに共通して流れる精神性なんだろうなあと素朴に思う。

2. 日本語の響き・ストーリー

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ASIAN KUNG-FU GENERATION 『君の街まで』

ゴッチの書く詞は、すごく邦楽ロックに重要なインパクトを残してると思う。

例えば、 『君の街まで』 とか 『新世紀のラブソング』 とか、リズム・韻の気持ちよさはもちろん、語彙ひとつひとつの美しさをとっても素晴らしいし、ストーリー性もあいまって文学的ですらある。

散文詩で心情描写をごりごり詰め込む曲作りはBUMPのブレイク以来すごくポピュラーなものになったけど、それを誰よりかっこよく高度なものに仕上げたのがアジカンのゴッチ。

散文詩で見せる奥行きの深いストーリーを、小気味良く仕込んだ韻で「歌」として聴いて気持ちいいものにする。本人も言葉の響きに対してのこだわりは強くて、たびたび対談とかでそのこだわりを話してたりする。

いまの若いバンドは死ぬほどゴッチの曲作りを参考にしてると思う。実際に散文詩ベースで、サビに曲のテーマになる強い言葉を繰り返し使うのはもはや邦楽ロックの定番構成だ。曲のDNAをたどればどの曲も絶対どこかで『リライト』にぶつかるはず。

3. 自己評価

アジカンが10年以上もずっと変わらず売れ続けてるのって、極端に自分たちのことをよく理解しているからって部分が少なからずある。

例えば、『ループ&ループ』や『リライト』で世間的に大きな注目を浴びるようになった時代、メンバーたち自身は「身の丈にあってない売れ方しちゃったな」という感触でやっていたよう。売れたことでファンの中に出来る「すごいアジカン」という偶像と、実際のアジカンの実像のはざまにあるギャップに困惑しながらやってたと。

それで、そういうギャップを自覚できるというのは、売れるバンドにとってすごく重要な資質だと思うわけです。「客や周囲が求めてるのはこれぐらい」という偶像に自分たちを近づける営みなしに、バンドが評価され続けることはありえないわけで。

たとえばラーメン屋だって「この店はラーメンよりつけ麺のが美味しいんだよな~」って評判になってる店で店主が意固地になって「うちはラーメンが売りなんだ!つけ麺は廃止だ!」とか言い出したら閉店まっしぐらでしょ。そんな店長はスープにぶちこめ。

4. もう消費されない

アジカンのベスト盤を出したときのインタビューに、「今ベストを出してもTVに出ても、もう消費されないと思った」的なことを言ってたんだけど、この「消費」は邦楽ロックバンドにとって永遠のテーマなわけですよ。

バンドは、売れる過程で必ず消費される時期が来る。キュウソネコカミだって『ビビった』で「消費されて飽きられる前に 売れたいマジで」と歌ってる。

消費されて自分たちの思う音楽ができなくなったり、全く売れなくなるリスクを、邦楽ロックバンドは抱えている。

この普遍的な原理からアジカンは一歩抜け出て、「もう消費されない」領域に来ていると言ってるわけです。これは僕も全面的に賛同で、理由は単純に、邦楽ロックにとってアジカンはもはや切っても切れない存在になってしまったから。アジカンは、今のあらゆるバンドたちの手本だし、邦楽ロックのスタンダードにはアジカンが残したルールがたくさんあるから。

アジカン、すごくね。

おわりに

去年見たライブで、ゴッチが「俺たち昔「アジカンはロックじゃない」って言われてたんだぜ、マジで。ウケるよね」と言っていた。ウケる。いまや日本のロックってアジカンのDNAが流れてない部分を探すほうが大変なぐらいなのに。

当時声を大にして「アジカンはロックじゃない」認定をして叫びまわってたおじさん達、生きてますか。あなたのロック、生きてますか。アジカンは生きてます。

そのライブではちょうど『ソルファ(2016)』の制作期間だったこともあって、そこから数曲やった。上で書いたようなMCもあって、アジカン世代ど真ん中の僕はもう涙腺にどストライクよ。『君の名は。』とか観て泣いてんじゃねえ。アジカンで泣け。

僕はそこで聴いた『ソルファ(2016)』の曲たちから、ASIAN KUNG-FU GENERATIONというひとつのバンドの12年の変化以上に、邦楽ロックという一つの文化の12年を感じた。たぶんアジカンが音楽を辞めちゃうまでずっと聴くだろうし、辞めたとしてもずっと聴くんだろう。

KANA-BOON飯田から考える、「バンドマンはどうして不倫するのか」

KANA-BOON飯田(B)が不倫していた。

『全部、言っちゃうね。』でおなじみの清水富美加と。

KANA-BOONの中でも非常に親しみ深い顔面をしている飯田が、あのトップアイドル女優と不倫できるというのは世の中の男にとっては途方もない朗報じゃなかろうか。

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ニュースを追ってみるとどうやら、ゲスの極み乙女。川谷絵音とベッキーの不倫報道を見て2016年1月ごろ破局を決意したらしい。もう完全なるリスクヘッジ。近年のバンドマンには珍しくフットワーク軽くてクレバーなリスク回避っぷりですよ。

この件で、何故か谷口鮪のアツい風評被害も出ていて笑えます。『清水富美加の不倫相手は人気バンドKANA-BOONの谷口鮪!?』みたいな記事がそこかしこにある。不細工のベースを差し置いてフツメンのギターボーカルだけがおいしい思いをしがちな邦楽ロックシーンにあって、対照的で実に良いですね。もっとあらぬ風評被害を巻き起こして欲しい。

今日は、そんなKANA-BOON飯田の事例から、バンドマンはどうして不倫にひた走るのかを考えてみようと思います。

バンドマンの不倫史

これまでの邦楽バンドの歴史を紐解くと、有名バンドのメンバが不倫していた事例はたくさん出てきます。

  • ゲスの極み乙女。 川谷絵音
  • Mr.Children 桜井和寿
  • BOOWY 布袋寅泰
  • 安全地帯 玉置浩二

などなど、昔まで遡るとそうそうたる大物がでてくるんですね。そして、揃いも揃ってそうそうたる不倫内容。挙げた全員、その時代を沸かせていた芸能人たちとえげつない不倫をしています。

古今東西、バンドマンは不倫しがちな生き物なんですよ。

バンドマンは絶対不倫するようにできてる

バンドマンは、そもそも絶対不倫するようにできているんです。そんなバンドマンが、どんな過程で不倫するか見ていきたい。

モテたくて始めたバンドマンがモテるまで

まず、バンドを始める動機ですが、当然バンドはモテたくて始めます。音楽好きとか格好つけたいとかいろいろな欲望はあれど、そのうちの一つに間違いなく「モテたい」というファクターは入ってきます。

そして、モテたくて始めるも、しばらくの間はやっぱりモテません。高校の文化祭で出し物なんかやったところで、不細工なベースやドラムが日の目を観ることはないわけで。一番顔面が良くてコミュ力があって部長でギターボーカルのヤツがモテるに決まってます。

その後すったもんだあって、地元の箱で継続的にライブを組めるようになると、そこから地元のバンギャたちに初めてモテます。地元のバンギャたちは基本的になんでも食います。髪の毛や爪を食っても生きられるゴキブリみたいに、なんでも食う。好き嫌いゼロ。どんな不細工でも行きつけのライブハウスで客を入れてたら食う。これまでモテなかったバンドマンは、ここでその負のエネルギーを爆発させるわけですね。群がってきたバンギャたちをノータイムで食う。そんな地元のバンギャたちとなんやかんやあって、そのうちの何人かと付き合うことになる。

その後更にバンドが人気をつけ、より大きな会場でライブができるようになってくると、自分に熱を上げてくれる女の子たちの顔面が華やかになっていく。そこでもバンドマンは、やはり新しい女の子と浮気活動に勤しむことになります。なぜか?前より可愛いから。

そんな具合で、バンドマンは自分たちの知名度が上がるたびに新たな浮気を積み上げるけど、どこかのタイミングで一人の女の子と結婚します。そして「バンドの初期から支えてくれた」とかいう、よく分からない声明を出す。

バンドマンの不倫はドラクエ

思うに、バンドマンの不倫は、ちょうどドラクエみたいなものだと思うんです。

ドラクエでは、新しい町に行ったら、より強いモンスターと戦います。バンドも同じで、知名度が上がって新しい町に行ったら、お相手する女の子のレベルも高まるわけですよ。いつまでも地元のハコのまわりをウロウロしているくさった死体とは戦ってられないんです。ラスボスの城の近くまできたら、もっと経験値高い相手と一線交えたいわけですよ。

そんな飯田くんの前に現れたはぐれメタル(清水富美加)。芸能人。売れっ子。

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経験値で言えばそこらへんの読モ(ボストロール)の25倍。もう倒すしかない。ぶっ倒してレベル上げるしかないわけです。レベル上げて世界に平和を取り戻すしかないわけです。世界はそれを愛と呼ぶわけですよ!!

呼ばないか。不倫です。

バンドマンは、ちょうどドラクエみたいな感覚で不倫行為にひた走っている。

バンドマンに期待するな

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ここまで見てきたように、バンドマンは「モテたくてバンドを始める上に、モテはじめたらどんどん女の子のレベルが上がっていく」という、非常に凶悪な成り立ちをしています。バンドマンは不倫をするようにできているわけです。そんなバンドマンに、人間性を期待しちゃいけない。

そもそも、芸術を生業とする人種が「真っ当な人間性してる」なんて言う方が幻想なわけですよ。例えば太宰治だって色んな人の借金踏み倒した挙句不倫相手と自殺するし、森鴎外も留学先で現地の女孕ませて捨ててたりする。良い芸術作品をつくる人が必ずしも良い人間性を持っているわけじゃない。

バンドマンも同じ。いい曲をつくっても、いい人間とは限らない。

そして、人間性が悪いからって、音楽もダメとは一概には言えない。たとえばファンキー加藤みたいなポジティブ良いヤツ芸人は人間性の悪さが露呈したら商売あがったりだけど、ゲスの極み乙女の川谷絵音なんかは、別に曲の方向性からしてもそれほど矛盾してない。ゲスキャラな曲やってるし、実際にゲスな行いをしてイメージを損なったところで音楽に対する評価が傷つく謂われはないはず。

僕たちは、たとえクソ不倫を働いたバンドマンであっても、いい曲には敬意を表して聴くゆとりを持ち合わせていたほうが健全なわけです。

おわりに

これからも、君たちが好きになるバンドマンが「吐き気を催す邪悪」のような行いをすることがきっとあると思うッ!

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そんな彼らは曲で「愛するために生まれてきた」とか「踏み出す勇気が必要さ」とかの耳障りのいい言葉を歌っているかもしれない。そして、それはすごくいい曲かもしれない。そんなバンドマンがもし不倫報道で窮地に立たされていたら、石を投げつけつつ、CDを聴いてあげよう。それが正しいバンドマンとの距離感なんじゃないかと思います。

サカナクションのライブがすごすぎる5つの理由

2017/2/9(木)、寒風吹きすさぶ中、Zepp Tokyoで行われたサカナクションのワンマンライブ『SAKANAQUARIUM 2017 “多分、風。”』に行ってきました。

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サカナクション / 多分、風。

結論から言うと、最高だった。100点満点で2京点ぐらい。僕の想定する満点より、200兆倍ぐらい素晴らしいライブだった。あまりに良かったので、数字が小学生の考えたゲームぐらいインフレしている。

終わるやいなや次のホールツアー・出演フェスのスケジュールをチェックし、次に行く目星をつけた。次のサカナクションのライブ日程が分かっていないと不安でたまらなくなる。ライブ中は楽しさで過呼吸、ライブ後は喪失感で過呼吸になる。過呼吸に次ぐ過呼吸。僕の肺はボロボロ。

前々から思ってたのだけど、サカナクションのライブはもはやちょっとしたドラッグです。

1. 特徴的なリフ、何度も繰り返す言葉

サカナクションというかダンスミュージックの基本路線だけど、曲中に特徴的な展開や言葉の繰り返しが多用される。

これは音楽好きからすれば賛否あるところだと思うけど、人間にとっては概ね気持ちよく刺さるようになっているらしい。人は同じフレーズを繰り返し聴かせられることが気持ちよく感じるようになっていて、そのフレーズにある種の依存性を伴うようになる。ちなみに僕の友達で一番頭の悪いやつがこれを知って、好きな子の前でやたらと自分の名前を言うようにしたら、効果がないばかりか連絡がつかなくなった。

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サカナクション - 夜の踊り子(MUSIC VIDEO)

PVのアホなお祭り感あふれる絵面からは想像もつかない、曲の中毒効果っぷり。『夜の踊り子』はこのPVも含め、完全に視聴者の脳みそを叩き壊しに来てるとしか思えない。最後のサビにたどり着くころにはみんなヨダレ垂れ流しながら聴いてると思う。

サカナクションの曲には、このように特徴的なキーワードやフレーズの繰り返しを伴うものが多い。ライブ前に予習で繰り返し曲を聴いてきて脳を半壊にしてきたファンに、ライブでトドメの一撃をぶつけてくる。

この手口、ちょっとしたドラッグより危ないと思うんです。国の規制がまたれる。

2. ひたすら踊れる

サカナクションのライブは、ほとんどの時間踊っていられる構成になっている。セットリストの大部分で踊れる曲をやるし、フロントマンの山口一郎(Vo,Gt)も「みんなまだまだ踊れる?」とか「今日は踊ろう!」みたいなことをしきりに煽ってくる。もう踊ってばかりの国。ちょっとしたブラジルよ。

そういうわけもあり、サカナクションのライブは厳密に普段「CDで音楽を聴く」ことと「ライブで音楽を聴く」ことの間で、まったく違う体験ができるように配慮されている。「CDの方がいいじゃん」ってライブをするバンドも珍しくない中で、明確に両者の棲み分けが設定出来ているのはサカナクションの強みでもある。

踊ってばかりいたい人にとって、サカナクションのライブはきっと楽しくて仕方ないものになるはずだ。

3. 音響へのこだわり

サカナクションのライブ、物理的にリッチです。やたらいいスピーカーをアホみたいに全方位設置したりする。ひとつのバンドでやる仕掛けを2段階ぐらい飛び越えた設備でライブをやる。

具体的には、6.1chサラウンド(映画館みたいに全方位から音が聴こえるような仕組み)をライブで採用したり。偏執狂じみた音へのこだわり。

あまりに凝りすぎて、ただライブやるだけだと赤字の勢いらしい。いつも山口一郎が悲痛な声で泣きじゃくりながらグッズ買ってくださいって言う。泣きじゃくるは言いすぎたけど大体いつも「KANA-BOONは俺たちの○倍グッズ売れてる」とか毒づいてる。グッズ買ってあげてください。あんまりかわいくないけど…。

4. 総合演出

サカナクションのライブ、音響も豪華だけど、その他の演出もやたらと豪華。

やたら大きな幕を派手に左右に動かす機材組んだり、スクリーンにリアルタイム演出のオイルアート投影したり。個人的には、『ユリイカ』の時に流される東京のムービーが、ちょっとした短編映画を観るような感動があってすごく好き。

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サカナクション - ユリイカ (MUSIC VIDEO)

(こちらのPVも非常にアーティスティックで、直球で言うと猥褻な仕上がり。僕はこの曲が大好き。というか、地方から東京に出てきたジプシーはみんな多分好き。)

他にもレーザーライトを駆使した照明の演出もエキサイティングだし、Macを並べてDJスタイルで曲を演奏する演出も「何か起きそう」って期待感がある。

サカナクションのライブは、ただ音楽を聴くだけの場としてではなく、「ライブ」という総合エンターテイメントを楽しむ場として素晴らしい。

5. 気持ちいい

最後に、これは少し個人的な話に入ってきちゃうので言うのが憚られるのだけど、サカナクションのライブはとにかく気持ちいいんです。

だけどそれは、僕が特別に「ファンだから」かというと、多分そういうわけではないと思っている。多分誰でもみんな気持ちいい。これまで上で書いてきたような要素が一瞬「ピタッ」と噛み合って気持ちよくなる瞬間が、誰にでも訪れるんじゃないかと思う。

実際、それまでまったくサカナクションを知らなかった友達をライブに連れていったら、翌週には全部のアルバム聴いて地方遠征してワンマン行くようになっちゃったことがある。

ちなみに僕は毎回、『ミュージック』の大サビ直前で白目向いて痙攣して失禁してる。毎回やること同じでなにが起きるかも分かってるんだけど、毎回失礼しちゃっている。

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サカナクション - ミュージック(MUSIC VIDEO)

僕にとっての『ミュージック』のように、ファンに限らず、誰でもみんなどこか一瞬「気持ちいい」となる瞬間が訪れるんじゃないかと思う。

おわりに

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サカナクションのライブ、本当に満足度高いです。モンドセレクションをあげたい。

いつだかやっていためざましTVで、CDJに来ている観客にアンケートをとった「ライブがすごいバンド」にぶっちぎりの1位で選出されていたぐらい。なので、多くの人にとってサカナクションのライブは特別なものなのだろう。(ちなみに2位はキュウソ、3位はレキシだった。ビクター強すぎ)

今回のZeppTokyoでのライブも、開始前は運営の不手際(開場前のひどい行列整理とか、最速で入場しても終盤の番号の人はロッカーに荷物入れる時間なかったりとか)から、結構イライラすることも多かったんだけど、開始3秒ぐらいで吹き飛んだ。

それぐらい、サカナクションのライブは僕にとって特別な時間になっている。毎回新しい発見があって、一向に飽きる気配もない。それもこれも、「チーム・サカナクション」と呼ばれるスタッフ陣が、これまで地道に積み上げてきた経験が為せる業なんだろうと思う。

是非、機会があればちらっと覗き見て欲しい。ハマって抜け出せなくなるけど。今までドラッグとは無縁の清廉潔白な人生を歩んできた人にとって、サカナクションは初めてのドラッグになるかもしれない。