もうタイトル通りだけど、ポルカドットスティングレイは今IT業界で一番ヤバい。業界ナンバーワンです。
アプリエンジニア、ITディレクター、プログラマ(平匡さん)、インフラエンジニア(沼田さん)、みんな揃って聴いてる。IT業界の期待を一身に背負っている。
IT業界というと、とかくネガティブなイメージが先行しがち。根暗、オタク、メガネ、肥満、薄毛…世界中のコンプレックスの汁を煮詰めて出来上がった怨嗟の世界、それがIT業界。
スティーブ・ジョブズみたいなエリート起業家を志向して入った意識こじらせ学生が、10年後禿げ上がって「絶望した、世界を救えるのはキュアフローラちゃんだけ」とかぶつぶつ言うように教育される。ジョブズとの共通点は禿げだけ。「今年は飛躍の年!」とか「圧倒的スピードで成長する!」とか毎年いってるやつ、良かったな。圧倒的成長できるぞこの業界。
積年の恨みから少し話がそれた。
とかく行き場をなくした負のエネルギーが爆発の切っ掛けを待ってる、そんなIT業界にきら星のごとく現れた超新星、ポルカドットスティングレイ。
フロントマンでギターボーカルの零がまさかのスマホアプリディレクター。こんなに華やかなIT業界人がかつて居ただろうか。
IT業界はポルカドットスティングレイの圧倒的成長を期待して見守っています。表舞台で評価されるIT人、そんな夢をポルカに見ています。
どっこい、ググってみたら零の顔と身体の話ばっかり出てくる現状。やれテレキャスター・ストライプMVの零ちゃんのバニーかわいいだとか、零ちゃんに彼氏はいるのかだとか。
もうバンドをちんちんから考えるのはやめよう!僕たちIT業界人の希望の星にこれ以上余計な色をつけないで!
MVやツイキャスでのパフォーマンスから、少し下品めな話題が集まありがちなポルカドットスティングレイ。
普通に、かっこいいです。
今日はそんな、今IT業界で一番ヤバいバンド、ポルカドットスティングレイの話。
向上心の塊
ポルカドットスティングレイ「エレクトリック・パブリック」MV
フロントマンの零(Gt,Vo)、上でも少し書いたけど現職で「スマホアプリのディレクター」をやりつつ、バンド活動をしているらしい。
「さわって!ぐでたま」ってゲームのディレクターをしているとのこと。
普通にヒットアプリ。ヤバい。
だいたいこの手のヒットアプリ作ってるところって、ワーカホリック気味な社風だったりするんですよ。
過労自殺した電通の新入社員のニュースを見て自分の方が働いてんのに無自覚に「そんなに働いて可哀想に…」とか呟くハード馬ー鹿ーワーカーがごろごろいる。労働基準法の背表紙でケツを拭く社風だったり、会社の座敷童と化した不帰宅の妖精がいたりする。
そんな過剰労働あふれるITベンチャー界でエンジニアしながらバンドとか、向上心の塊よ。ただならぬ向上心。現代が生み出した、高まりすぎた意識の怪物よ。もはや。
ただ意識が高いだけじゃなくて、行動が伴ってるからすごい。事務所、レコード会社ともに無所属でセルフプロデュースでここまでバンドを大きくしている。
そもそものスタートからして、「あ、もう1個バンドやりたい!ツイッターでメンバー募集したれ!」で始まってるし、Webネイティブ世代特有の、いい意味で向こう見ずな行動力がある。行動を起こせば、人が集まってきてなんだか色んなやりたいことができるようになることを肌で知ってる。どんな業界でも成功する資質です。
戦略もある
ポルカドットスティングレイ「テレキャスター・ストライプ」MV
サビのギターリフが超好き。零のめちゃくちゃ口馴染みのいい「嗚呼ヽテレキャスターストライプ」ってキラーフレーズを、一番気持ちよく聴こえる形で演出してる。サビのフェードイン・フェードアウトもすごく自然に聴こえるし、サビが何万回も頭に勝手に流れてくるように仕掛けてるのはこのリフの仕事が大きいと思う。
このMVも、Web時代の音楽の広がり方をあらかじめ研究した上で作られてる。
EMTG:今、ポルカの名前は知れ渡っている真っ最中ですが、きっかけはMV「テレキャスター・ストライプ」(再生回数170万回以上/11月時点)ですよね? 雫:そうですね。今はネットの力が絶大ですからね。それで人に見てもらえる工夫をしようと。映像が面白くて、最後まで曲も全部聴いてしまうという感じにしたくて。で、自分たちでタダでできるプロモーションを頑張ろうと。 (引用元:http://music.emtg.jp/special/20161108613ad8eda)
まんまとMV最後まで観ますよね。
曲のかっこよさは言わずもがな、視覚的にも展開が気になるつくり。MVを最後まで観させるのって、単純なようで結構大変。
例えばYouTubeアプリなんか、ずっと画面下半分に「関連動画」とか言って、似たようなバンドの曲がばっちり表示され続けてるわけで。別の動画に移動せず、同じMVを4分間観続けるのって、視聴者の側からも大変。最後までMV観れないバンドのなんと多いことかと。
それを認識した上で、MVを「最後まで観られる」ように作れるのって、よほどしっかりマーケティングしてないとできないよなあと。再生数の多いMVとかひたすら観て研究してたりしたらしい。
そういうWeb戦略をしっかり持ったバンドはやっぱり強いと素直に思う。IT業界の星だけある。手作り感あふれる公式サイトとか本当愛らしい。
ヤバTなんかもそうだけど、Webをうまく使うことはこれからのバンドに必須のスキルセットになってくる。そもそも、Webがおもしろくないとメジャーレーベルにも見つけてもらえない時代になってきてるわけだし。
おわりに
そんなわけで、ポルカドットスティングレイ、IT業界を飛び出て全方位におすすめできるバンドです。
バズリズムでも紹介されたし、メディアの興味を惹く経歴も十分。2017年は更なる飛躍の年になると思う。
なまじPVのインパクトが強かったり、狙い過ぎな演出からして「どうせボーカルがかわいいだけのバンドだろ」って意見が出ちゃったりするのも仕方ない部分はあると思う。
ところがどっこい、実際はボーカルがかわいいだけじゃなくて才能も向上心も戦略も行動力もあるバンドなんです。ただちょっと可愛くて歌が唄えるだけの女の子を真ん中に置いただけの、オタサーの姫バンドじゃないんです。
ポルカドットスティングレイ、今年は色んなフェスや対バンで見かけることになると思う。これからきっと、僕たちをもっとわくわくさせてくれるはず。
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