こんにちは、本谷です。
いきなり松屋の話していいですか? いきなり牛丼屋の話する20代後半暑苦しいですか? ドスコイッ! すみません。
でも、牛丼屋って誰しもかけがえのない思い出の一つや二つあるじゃないですか。松屋のビビン丼は、僕にとってそんなかけがえのない存在でした。
そんなビビン丼が、2017年8月、販売を中止してしまったんですよ。
バイバイ、ビビン丼。バイバイ、僕が松屋に行く最後の理由。
松屋の思い出
ビビン丼の話をする前に、少し松屋の話をしますね。
皆さんひいきの牛丼屋がなにかしらあると思うんですよ。僕は幸いにも、すべての牛丼チェーンとそれなりの期間、接する機会に恵まれました。
中でも、一番の時間を過ごしたのはやっぱり松屋だったと思う。
大学時代に住んでいた家から歩いて数10mのところに松屋がありまして。男子大学生一人暮らしの家の近くに松屋があるというのは、もはやちょっとした攻撃なんですよ。
すごいペースで通うことになりました。松屋、全盛期の岩瀬ぐらいの登板回数です。野球がわからない方は、ゴールデンタイムにマツコ・デラックスと遭遇する頻度と思って貰えればいいです。
松屋、松屋、天下一品、松屋、すき家、松屋。冗談じゃなくこんなスケジュールで生活していました。罰ゲームか? 僕じゃなかったら一生モノの障害もらうぐらいハードスケジュールでした。
松屋は他の牛丼屋と比べて牛丼以外のメニューの入れ替わりが多くて、飽きない店だったんですね。
季節ごとにガラッと入れ替わるメニュー。そんな中、変わらず券売機の端っこを守り続けたビビン丼。
そう。僕は、松屋でいつもビビン丼を頼んでいました。
ビビン丼の思い出
ビビン丼。君はいつも券売機の画面で、キムカル丼と一緒に並んで僕を悩ませてくれたね。でも、僕はいつだってビビン丼を選んだよね。
そう、キムカル丼は名前と見た目のインパクトは確かにあるけれど、食べてみると意外とパンチも深みもない。センター街を歩いているペラペラのキャッチみたいなメニューなんですよ。
一方のビビン丼。ピッコロの技みたいな間抜けな名前に、やたら多い『きんぴらごぼう』とかいう地味食材。ビビン丼はさながら教室の隅っこで震えていた僕達のようじゃないか。
ライバルのキムカル丼がSMAPみたいな名前に、『カルビ』とかいうエース食材で勝負をかけてくる中、ビビン丼の健気さには心打たれるものがあったと思うんですよ。いじめられっ子がセンター街のチャラ男に立ち向かう姿に、心を打たれたと思うんですよ。心打たれませんか? 打たれない? お前キムカル組か? メニュー残ったからってあんまり調子こいてんじゃねえぞ! ドスコイッ!
ともかく、僕はキムカル丼のなんとも癖になる独特の素朴な味が大好きだったんですよ。
ビビン丼販売終了
社会人になって数年。思えば昔と比べて松屋とは疎遠になりました。
この間、ある夜「ひさしぶりにビビン丼でも食べるか」と松屋に入ったところ、券売機のどこを探してもビビン丼がいなくて、頭が真っ白になりました。
僕は必死で探しました。券売機を隅から隅まで。それでも見つからない。僕は店を飛び出しました。店を飛び出し、必死に探しました。
向かいのホーム、路地裏の窓、明け方の街、桜木町で。こんなとこにいるはずもないのに。欲しいものなど、もう何もない。ビビン丼の他に大切なものなど!!
(山崎まさよし)
ビビン丼は、販売を終了してしまっていたのでした。
おわりに
どうしてビビン丼の喪失に世間が平静を保っていられるかわかりません。ビビン丼がなくなるとか国難じゃないですか? 国難突破解散じゃないですか?
ビビン丼の販売が中止されて、僕は松屋に行く理由を失ってしまったんですよ。食べたいメニューが本当にない。
牛丼やカレー、他の丼モノetc、松屋には「行けばまあ満足できる」メニューが溢れています。でも、ビビン丼が無くなって「そのために行きたい」メニューが無くなってしまった。
家も遠くなってしまったし、お金の面でも松屋は特別安いわけではない。僕はいま、本当に松屋に行く理由がありません。
松屋さん、ビビン丼を再販してください。僕がまた松屋に行ける日を楽しみにしています。
以上、ではまた次の記事で。