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サカナクションの『多分、風。』を今聴くべき理由を話す

更新日:

サカナクションの新曲『多分、風。』がでた。

で、出た瞬間にiTunesぽちった。ためらいはなかった。財布の紐がゴム紐なのでガバガバ。一瞬で買った。

で、聴いた。もう素晴らしいわけ。

今日は『多分、風。』がただ素晴らしいというだけの話をします。

今買え。
今聴け。

そういう話をひたすらします。偏差値4ぐらいの営業マンみたいな記事だ。心して聞け。

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まず聴こう

めちゃくちゃ良い。かっこいい。

語彙と教養が足りないのでこれぐらいしか言えない。

昔のおもちゃを見るような懐かしさと新鮮さがある。フルで聴いた方がより印象強いんだけど、フルMVまだ公開されていないので残念。

コンセプト

公式サイトのインタビューによると、今回の『多分、風。』も80年代リバイバルを強く意識した曲になったらしい。『新宝島』からの流れを踏襲するコンセプト。

で、AKBしかり星野源しかり、メジャーシーンではある種のトレンドになっている昔のJ-POPリバイバル。

実際、このブームに倦んでいる人も多いと思う。あっちを見れば80年代リバイバル、こっちを見ればブラックミュージックの取り込み。業界全体で右へ倣えでつくられるトレンド。

でも安心して欲しい。サカナクションの『多分、風。』めちゃくちゃ新しい。

昔っぽさ

公式特設サイトの山口一郎インタビューでこんな話をしている。

だから、サウンドもそうだし、歌詞に関しても、「ショートヘア」や「あの娘」といったキーワードを活かすようにして、「80年代」をイメージさせる象徴的な要素を残すことで、カルチャー感を端的に表現しました。

冒頭でも話したけど、この曲にはどこか昔のレトロなおもちゃを見るような懐かしさと新鮮さがある。

たとえば僕は平成生まれなので、80年台のことはほとんど知らない。それでも、80年台のおもちゃを見たときにどこか懐かしさを感じる。懐かしさと新鮮さを感じる。そういう懐かしさがある。

それで、もっと若い世代に対してアプローチできるように外に広げようという方向性にシフトして、最終的に、香りとしての80年代エッセンスを持つ今のアレンジに落ち着いたんです。

昔を知っている人に"懐かしい"と思わせることは、まさしく昔と同じことをすればいいけど、昔を知らない世代にはそれだけじゃ届かない。

でも、それをやってのけてること。僕はそれがシンプルにすごいと思う。

若い世代に「懐かしい」と思わせることは、科学的なアプローチじゃない。昔のメロディ、コード進行、楽器とかっていう個々の要素はもちろんある。

でも、皆が共有する「昔っぽさ」って、現実的なそういう要素の中じゃなくて、あくまで抽象的な観念でしかない。なので、皆が共有する「昔っぽさ」を表現するってことはめちゃくちゃアナログな試行錯誤があったはずだ。で、見事に僕のような人間にとって懐かしく響く曲になっている。

懐かしくて、新鮮だ。

テーマ

で、ただ「懐かしい」だけでは現代の曲として成立しない。

懐かしさと、現代的なテーマが接合して初めて、現代の曲として聴く意味がでてくる。懐かしいだけなら、普通に昔の曲聴けばいいのだ。

自分の中の心象風景だったり、内省的なものを伝えるという作業は、サカナクションを結成してからの9年間で、やりきった気がしていて。
(中略)
「新宝島」と新曲の「多分、風。」で真逆の方向にいけて、よかったですね。

山口一郎は今回の曲で、登場人物のプロファイルを作ってから物語を書くように歌詞を書く、というアプローチをとったらしい。で、これは今までの内省とは全く違うアプローチだと。

内省→自分の経験や心象を書く
物語→未経験のフィクションをつくる

たしかにこう並べると、全然違うアプローチだ。

次のアルバムのテーマは、「東京」であったり、「郷愁」だっていうことは、ずっと言い続けているし、そこに対して、今回のシングルもきちんとコミットしなきゃいけなくて、そこも非常に難しかったポイントのひとつでした。

でも、「東京」や「郷愁」は、山口一郎にとっての内省からくるテーマだ。『表参道26時』や『ユリイカ』はめちゃくちゃ内省的な曲で、まさに「東京」「郷愁」を扱っている。

山口一郎にとって、これまでも「東京」と「郷愁」はずっと大きな問題意識をもったテーマだった。で、今回、そのテーマに全く新しいアプローチで曲作りを行ったという。

結果として、同じカテゴリだけど、全く新しいテーマになったと僕は思う。

たとえば、『ユリイカ』。

なぜかドクダミと
それを刈る母の背中を思い出した

ここは東京
蔦が這うようにびっしり人が住む街

君が言うような
淋しさは感じないけど

思い出した
ここは東京

『ユリイカ』では山口一郎の東京観や郷愁が語られ、僕たちリスナーも「主人公:山口一郎」の曲として聴く。

 

一方、『多分、風。』

ほらショートヘアをなびかせたあの子
やけに気になりだした なぜか

今アップビートの弾けた風で
口に入った砂

誰もが忘れる畦道を
静かに舐めてく風走り

知らないあの子と自転車で
すれ違ったその瞬間

風 走らせたあの子にやや熱い視線
焦らせたその仕草に

『多分、風。』では、主人公は完全に架空の少年だ。で、この架空の少年は、皆がイメージを共有していない。

要は、人によって想像する主人公が異なるということだ。

 

山口一郎がずっと、「自分の物語」として語ってきた郷愁が、「誰かの物語」として語られることで、全く新しい響きになる。新しいテーマになる。

これが、この「昔のリバイバル」楽曲『多分、風。』を今ちゃんと聴くべき理由になる。

侮るなかれ。ただの昔っぽい楽曲じゃない。

サカナクションが「ずっとやってきたこと」、「これからやる新しいこと」が出会った、めちゃくちゃ新しい曲なんだ。

だから、今聴け。

さいごに

たぶん初っ端、一聴して「うわ、なんやこれ古臭い!」ってなる人もいると思うけど、段々「逆に新しくね…?」ってなってくる。そんな曲だ。

僕は山口一郎とサカナクションの世界観が大好きなので、テーマとかそういう部分はかなり穿ったバイアス入ってるけど、音楽的な格好良さは本能的に感じられる曲だと思う。古臭いだけのアレンジじゃない。どこか聴いたことあるようで、聴いたことがない。

是非、CDショップで見つけたら手にとってフルで聴いてみてほしい。

<引用元:http://www.jvcmusic.co.jp/sakanaction/12thsingle_sp/

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