クソみたいな成型ポテトで800円。クソみたいな氷に砂糖汁かけて600円。クソみたいな米の上に申し訳程度の肉で1000円。
どうしてフェスで食う飯はこんなにも高いのか。そして残念なのか。まずいのか。
フェスめし、たけえ
フェスめし。フェスごはん。貧乏人の僕らの懐にすごく辛辣だ。高い。
調べて見た感じ、店側も色々大変らしい。出店料クソ高いし、天候で売上クソ左右されるとか。
でも、そんなのは売る側の理屈。380円で牛丼食ってる身からすれば、どこで食おうが只のイモに800円はたかい。
邦楽ロックファン、金ない
フェスに行く連中の平均年収は高く見積もっても400万を割ってる。可処分所得は300万弱だ。邦楽ロックファンなんて学生非正規アルバイトの大群なので、実際はもっと年収低いはず。
2日行くとして、
- チケット : 25,000円
- グッズ : 5,000円
- 宿代 : 10,000円
- 交通費往復: 10,000円
そこに追い打ちを掛けるフェスめし。昼、夕方とご飯を食べておやつを食べて各種お酒・ドリンクの料金を含めると、
- 飲食代 : 4000円/日
全部あわせて2日で60,000円弱になる。1回のフェスで年収の2%を使う計算。
例えばrock'in onの主催するフェスは、
時期 | フェス名 | 日程 | チケット代 | |
単日程 | まとめ買い | |||
春 | JAPAN JAM | 全3日 | 9,400円/日 | 23,000円 |
夏 | ROCK IN JAPAN | 全4日 | 13,000円/日 | 42,000円 |
冬 | COUNT DOWN JAPAN | 全4日 | 11,500円/日 | 35,000円 |
合計 | 100,000円 |
とあって、これに全日参加すると、チケット代だけでなんと10万。フリーターの給料1ヶ月分全部だ。フリーターはフェスのために丸1ヶ月タダ働きしている。
で、実際は旅費交通費、飲食費もかかる。上の出費と照らしてみてチケット代以外の出費を15000円/日とする。するとチケット代・旅費含めた全日参加時の総額は、
265,000円
邦楽ロックファンの懐はもうスカスカ。みんなガリガリのバキバキ。肥えるのは渋谷陽一だけだ。
フェスなんて行ってないで定職ついて貯金しろ。
でもフェスいきたいよ。で、生命である以上、飯は食いたい。貴重な金を無駄にせず、エネルギー効率の高い飯を食いたい。エンゲル係数たけーんだよこっちは。
今日は、そんなわがままな欲望に応えて、フェスめし攻略をお伝えしようと思う。
おすすめしないフェスめし
これまでみてきたように、邦楽ロック民は金がない。したがって、フェスめしの攻略は、ハズレを引かないことが肝になる。いわば守備の戦略だ。
ということで、まずはおすすめしないフェスめしを紹介する。
海鮮丼
これはまあ、控えめに言って最悪の選択だろう。鮮度が命の食べ物だ。フェスで買うべきじゃない。
トラックで長距離搬送され、クソ暑い中、限られた冷蔵設備でフェス日程の数日寝かされて。どんなに鮮度に自信のある魚だって、フェスではちょっと曇った表情になる。
魚「おれぇ、足速いって言われるんすよォ。だからァ、やっぱ鮮度っておれの代名詞みたいなとこあってェ。え…フェス?え、ちょっと…」
魚の側も、フェスを一世一代の舞台に選びたくないって気持ちあると思う。自分の人生、いや魚生かけてんのに「お前、フェスな」って言われたら浮かばれないよ。なんでフェスなんだ。なんで俺ちょっと寝てから食われるんだ。一番美味い俺を食べてくれ。魚もそう思ってる。
値段も高い。1800円で「大ボリュームのいくら丼!」と銘打って売られてたのがただの「いくらかけご飯」だったことを俺は忘れない。片手ですっぽり掴める器で丼を騙るな。
そして待ちも長い。平気で1時間とか待たされる。少しでも鮮度を維持するために、魚はすぐ提供できる形で用意されていないからだ。ただ盛り付けるだけじゃないのだ。
どうしてもフェスで海鮮物を食べたい人は、ホタテのバター焼きとか、焼き串系を食べると良いと思う。提供も早いよ。
肉のってる系の丼
バッサバサの肉が出る可能性がある。バッサバサの煮込み肉を米にのっけて、はい1200円とかやってる。他の店と比べて異常に安い店は特に要注意だ。
フェスで出る肉に肉感を期待したらいけない。好意的に見ても、7割型ダンボールだ。
おいしいダンボールを食べたい君にはおすすめだ。
ちなみに、フェスで肉を食べたいなら、その場で焼く、焼き串系。あとはケバブなんかもおすすめだ。また、たまに本当においしい肉丼もあるので、他の人が買ってる皿をよく見て選ぶといいだろう。
おすすめするフェスめし
こっからは正統派。是非フェスで食べて見て欲しいおすすめを紹介するぞ。
インドカレー
おすすめがカレー・・・?
ナンだって!?
・・・
ナンだってー!!??
お茶目が止められなかった。失礼。
基本、上でも書いたように、フェスごはんで鮮度を求めるのは不毛な闘いになる。長距離トラックに乗せられて運ばれた上で店舗とかとは段違いの設備でできる鮮度管理なんてたかが知れてる。
なので、おすすめは、元から鮮度度外視の食べ物。インドカレーなんて、もうあれよ。インドよ。インドに鮮度なんて概念ない。あいつら手で食ってるし。砂埃やばい道端で平気で生魚並べて売ってる。
そんなインドの伝統芸。インドカレー。
「鮮度管理、無理。スパイスで乗り切ろう」そんな素敵なアイデンティティで出来たインドカレー。だからこそ、鮮度管理出来ない現場ほど存在感を発揮する。
「インドカレー?どこでも食べれるじゃん〜」、じゃねえ。カレーはそもそもどこでも食うための料理なんだよ。
どこでも美味しい。だからこそ、フェスでは一際美味しい。
提供も早い。盛るだけ。クソ長い行列にクソ並んで出てくるのがクソ。こんなことがまま起こるのがフェスめしの現場だ。カレーは裏切らない。
迷ったらカレー食っとけ。
うどん
うどんは期待を裏切らない。期待値60に対して、ぴったり60点を出してくる。
思うに、僕たちうどんに対しての情熱が足りないと思うんですよ。うどんに「これはめちゃくちゃうまいに違いないぞォ!」って気持ちにならない。そんな気持ちでうどん頼まない。
「あ、うどんちょっと食べたい」
うどんを選ぶ時の心理、8割がこんな温度感だ。
だからこそ、うどんは外さない。うどんには過度な期待をしないから。どうか妥協案としてうどんを選んでみてほしい。思いのほか美味しいうどんに感動するはずだ。
アイスボックスZIMA
めしじゃないけど、これは革命的な美味さだった。
美味すぎて帰った後、自宅でもやった。美味い。自宅でも美味い。
アイスボックス単体でもうまいのに、ZIMA。うますぎワロタ。神の調合。森永製菓とモルソン・クアーズ・ジャパンの商品企画は天才。
アイスボックステキーラみたいなハイリスク商品が出てくるのも時間の問題だと思う。早く発売してくれ。バカオーラン・バカテニサー達をバンバン病院送りにして欲しい。
コンビニ弁当
身も蓋もないやつだ。しかし、コスパも味も、フェスで買う1000円のクソみたいな肉乗せご飯を圧倒している。
コンビニのカルビ丼、まじうまいよ。フェスで売ってる謎の肉載せ丼の半額以下で、80倍おいしい。
まあコンビニ弁当は極端過ぎるとしても、仲間と行くならフェスに食事を持参するのは大いにアリの選択肢になる。
フェス飯をべつに食べないのも、フェスの自由の一つだ。
おわりに
食べる自由もフェスの醍醐味。ふらっと買ったビール持ってぼーっとライブ観るのなんて本当に最高よ。
これを読んだあなたも、次のフェスではガンガンカレーを選んでいってほしい。カレーカレーかき氷カレー。そんなスケジュールでアツいフェスを乗り切ってくれたらと思う。
では、今日はこんなところで。